ラリマーは、色白のものが普通ですが、淡い褐色や黄色のものも見られます。
ごく稀に淡いピンク色を帯びたものがあり、ピンクの色はマンガンを含む為です。
かつてこの鉱物の名前は宝石業界ではほとんど知られていませんでしたが、ドミニカ共和国からトルコ石の様なブルーの変種が発見された時から一気にその名が知られるようになりました。
1974年、ノーマン・ライニングがドミニカの南部にあるパルオ村で数個のブルーの石を発見した事から始まります。
その時は、何という石か分からなかったのですが、それでも翌年には、ドミニカの宝石店には並んでいたと言われています。
しかしこの当時のラリマーはかなりグリーン色が強いもので、後に発見されたブルーの石をかなり違っていたそうです。
その後、地元の宝石商のミゲル・メンデスと鉱床の一部の土地を所有しているルイス・ヴェガが共同で採掘会社を設立し、社名を「ラリマール」としました。
以来この商標名は使い続けられています。
石の採掘権はすべてドミニカ共和国の政府管轄下にあり、メンデスとヴェガは現在販売には携わっていません。
その「ラリマール」という名前は、現地の宝石商の愛娘、ラリ"lari"と海というスペイン語のマール"mar"を合わせて作り出されたものだと言われています。
しかしそれは鉱物名ではなく正式には『ブルー・ペクトライト"BluePectolite"』と言います。
1985年アメリカの宝石商がラリマールを「カリブの宝石」と呼んでプロモートした事から名前の美しさと模様の面白さが理解されて次第に世界中で人気が高まった経緯があります。
日本でも最初はラリマールの呼び方で呼ばれていましたが、今では英語発音の「ラリマー」の方が一般的となっています。
ラリマーは、ドミニカの「アンバー」と西インド諸島の「コンク・パール」と共に『カリブの三大宝石』と呼ばれ、憧れの青い石として親しまれています。 |
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