セレスタイト
〜ストーリー〜



 

セレスタイトはセレスタインとも呼ばれ、その多くは、無色や、美しい青色をしており、つややかな光沢が特徴の鉱物で、バライト系の鉱物として、1781年にイタリアのシチリア島で発見されました。

鮮やかで美しい結晶がすばらしかったため、その様子から「大空の色=Celestial」にちなんで、ドイツの鉱物学者ウェルナーによって1798年に「空の色の石=セレスタイト」と名づけられたのです。


日本の巷で頻繁に見られるようになったのは、大き目のマダガスカル産が流通し始めたころからのことです。

バライト(重晶石)、アングレサイト(硫酸鉛鉱)と共に、重晶石グループの鉱物の1つになり、バライトはBa(バリウム)の、アングレサイトはPb(鉛)の、セレスタイトはストロンチウム(Sr)の硫酸塩鉱物です。

各イオンの性質によって、それぞれが交じり合い、中間タイプを構成します。そのため、鑑別が難しいものの1つです。

見た目にほとんど分からないことがあり、ときにこの難しい鑑別のせいで、未熟な鑑定をされた場合、成分が微妙に異なるものが、セレスタイトと鑑別される傾向があります。




 
バライト・ローズ
砂漠の薔薇




見た目には大きく異なりますが、良く知られる砂漠の薔薇もバライト系の石で、重晶石グループの1つですが、こちらは砂漠の砂をまとっているため、色がこのように褐色をしています。また、結晶の形も違います。

同じバライト系ではありますが、こちらは、重晶石で、セレスタイトは天青石です。


セレスタイトで、もっとも美しいものは、マダガスカル産で、ジオードの中に角柱状の結晶が、水晶のクラスターのように群生し、透明度が高く、収集家をひきつけます。

しかし、透明度が高い分、色合いは淡くなります。




マダガスカル産
高品質結晶



ビーズの場合、硬度が弱いため、多くの場合、樹脂などをしみこませて加工をしなければなりません。


ヨーロッパでは1990年代にゴールデンセレスタイトが流行しましたが、こちらは市場からなくなったという経緯があります。


 


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