イザワノミヤのお話

イザワノミヤでカヤカガに案内をしてもらったところ
ここに伝わる話を聞くことができました。

『人間たちはよくさわっています。
力をもらえると思っているようです』

「ええ」

『神聖な池ですが、浄化するために
毒気をすべて吸い取っている池です。

人間は絶対に入ってはなりません。
手をつけてもだめです』

一通り散策を済ませたあと、再度、タマハシラヤヒメノミコト様に挨拶をしに行きました。

 

 

 

「戻りました」

「…ああ。そういえば。
聞きたいことがあるのでした。
稲荷神社にお参りに行っておられる方がいらして、
それをやめることができないというのです。
つまり、あなた方が祟るのではないかということだと思います。
そして他の神社に行くこともいけないことだと思っておられるようです。」

『狐が祟るというのは人間が利益を求めて、我らを祀りあげ
途中で放り出すと我らの行く先がなくなるからです。
子孫、親戚にも力を及ぼします。しかし、恨みとは違うものです。
途中で放り投げて、どうしてくれるのだということなのです。
召喚しておいて、途中で放り投げることは許されません』

「ええ。
そのような人のために答えてあげてください」

『稲荷神社にお参りに行って、
それを途中でやめようがどうしようが、かまわぬこと。
我々はそのような狭い了見を持っておらぬ。

敷地内にお稲荷さんを建立し
それを祀れば、そこには魂が宿ります。

誰でも、あなた様でも、家に住むように言われて
突然追い出されたなら、悲しいものです。

しかし、稲荷神社にお参りに行ったからといって、
それを続けなければならないということはありません。

神々はもっと
おおらかなものなのです。