古い言い伝え
ある日の夜–。
カザキが夢枕に降り立ちました。
カザキ=地元でおとりつぎ様と呼ばれている神
「ん…、カザキ殿」
『ものいみなされ』
※祭りや、災いから免れるために食事や行動を慎み、
不浄を避け、家内にこもること。
陰陽道 (おんようどう) の禁忌の一種。
「もの?」
『昔から疫病が流行った時は外には出なかったものです。
家族単位で行動しておった』
「あ、ええ」
『梅干しを召し上がれ。
梅干しは1000年以上も前より
なま水を飲んだ時など菌を殺す役目をしました。
ころりにも効いたのです』
※ころり=コレラ(虎列剌)のこと。
「ころり…」
『汚れや不浄を悪しきものと思うのは、
古えのものは知っておった。
今のものたちはそれを忘れておる。
家のものが死んだ時などもいくばくの間は、
喪中とか忌中とか申して、慎み深く過ごし、
他のものとは好んで付き合わないようにした。
それは疫病に対する恐れからじゃ。
死人を土深く埋めたり焼いたりするのも
災いから守るためじゃ。
死や汚れへのおそれじゃ。
汚れや死というのは、魔物がついている汚れもあるし、
今で言う菌のような汚れでもある。
古の者はそれが何とは分からなくても
体で感じ取っていたものだ。
やはり外に出ぬことじゃな。
ものいみなされ』
そう言えば今思い出しましたが、
先日、天照大神はこんなことをおっしゃっていました。
『我を祈る事は家ででも出来る。
来なくとも良い、外に出ることはない。家にいなさい』
確か、わざわざ伊勢まで来なくても
家で祈っても同じことだからといった
そんなニュアンスのお話だったように思います。
神々は色々なことを教えてくれます。
昔の人たちの生活の知恵を
我々はもっと聞いておくべきでした。
そして今、繰り返し宇迦之御魂神様の
お言葉を思い出すことが重要です。
ニュースを見続けるのはあまりおすすめではございません。
大切な情報だけを、なるほどと言うことで知っておいて
あとはご覧になられないことがよろしいように思います。
「惑わされるな。
心を強く持て」
そう宇迦之御魂神はおっしゃいました。
情報の全てが正しいとは限りませんし
意味のない不安を生むかもしれません。
不安はいつも、他の無意味な行動に結びついてしまいます。
「他人を蹴落とすな。
人として正しく生きろ。
人としての生き方がある。
そなたらは獣ではない。
魔物ではない。
人だという事を心にとめおかれよ」
倒れた人達には労りと励ましが必要です。
そして同時に医療に従事する人たちに感謝を捧げるのが
普通の精神を持った人の考え方です。
誰かのせいにするというのは、
生きる事を他人任せにすると言うことです。
この事を繰り返し思い出して頂いて、
ご自分の考えを信じてみてください。
もう、誰も覚えていないかもしれませんが、
居候だった神の候補、円行さんの最後の言葉はこうでした。
『せじょうにある全ての生は
じょうじゅうえくうを繰り返しながらうつしものなり。
牛歩のごとくありても一歩又、一歩と己をいつわらず
信ずるままに前に進むことが生きたあかしとなりまする。
生きることをあきらめなさるな、かふくはあざなえる縄のごとし』
※世の中にある全ての命は永遠に繰り返し続き、終わりはありません。
なかなか思うように進まないことがあっても、
一歩ずつ、一歩ずつ、自分に嘘をつかないで、
信じる道を進むことこそが、生きた証になるのです。
生きることを決してあきらめてはいけない。
人生の幸福、不幸は表裏一体であり、
よりあわせた縄のように交互にやってくるものなのですから。
どの時代に生きても、色々なことはあるものですが
古い時代になるほど、状況は悲惨だったと思います。
やるべきことをやり、生きることを諦めずに行動してみて
それでも、どうしても人生に迷ったら、
道祖神にお祈りしてみるのもいいかもしれません。
道祖神は人の全てを導く道しるべの神ですから
道を示してくださるはずです。
人は忘れがちですから、
これらの事を繰り返し、繰り返し、お話ししようと思います。
心を静かに、できればお早くおやすみください。
不安はいつも夜にやってくるものだからです。
それでも、どうしても眠れない時には当店にお越しください。