サンマリーの日常
今年のフランスは大変な暑さでした。
連日、天気がよいため、水は欠かせません。
ペットボトルの終わり方が異常に早く、すぐに空になってしまうため、何度も買う必要がありました。
暑すぎる時は、アイスクリームを食べたり、氷菓子を食べたりして、なんとか体の温度を冷やしたりしていました。
そうして毎日、施設の中をぐるぐる周っていたのですが、そのうち「何度もよく見かけるね!」と言われるようになっていました。
このショーでは、鉱物販売をメインにしているところと
宝石をメインにしているところがあり、こちらは宝石の方の施設です。
日本ではあまり見かけない石もたくさん並んでいます。
ここ、サンマリーのショーでは、撮影はあまり快く思われないことが多いです。
そのため、当店は毎回確認をしてから撮影しているのですが
勝手に撮影したりすることは、非常に嫌がられます。
ですから、当店も色々とご紹介したいのはやまやまなのですが
ある程度に限られています。
ショー会場を出て、宿泊先に向かう途中で、地元で評判のレストランに行きました。
ここにはたくさんのメニューがありますが、おすすめは元祖?ハンバーガーと、ステーキ、それからこの野菜のチーズ&トマト挟み揚げです。
普段はあまり炭水化物は食べないのですが
今回はとんでもなく体力を使うので、元気が出るならなんでも良いと思い、色々とお腹に入れました。
海外では、ライスは野菜という感覚のため、意外と付け合わせとして登場します。
そしてこちら、ベルギーの代表的なビールを飲んで
宿に帰ることにしました。
協会の鐘が鳴って、時間を知らせています。
もう22時なのに、まだまだ明るくて、ずっと起きているような感覚です。
宿は裏側で大家さんの家と繋がっていました。
そしてテラスでは、大家さん一家がくつろいでいます。
「こんばんは」
「こんばんは。こっちにいらっしゃいよ。招待するわ。
自慢のテラスなの。まだ工事中だけどね」
「ありがとうございます」
「ああ、気をつけて。そこはまだ足場が悪いのよ。
ここはね、もともと私の家じゃなかったのよ。でも、なんだか得体がしれない奴が買おうとしてたから、そんなのに買われたら大変だと思って、私たちが買うことに決めたの。
それで、せっかくだから貸し出すことにしたのよ」
「いつ買われたんです?」
「去年の8月よ。
パスカル(旦那)が、キッチンの会社に勤めてるから、内装をすごく安く買えるの。ボロかったから、綺麗にしたのよ。
ここら辺の人は、みんなこれくらいのことはできるわ。父親が息子に教えることよね。
最低限、車を直せるくらいは教えるの。
お隣は、セルビアから来た人たちで、おじいちゃんの世代からだから、二世ね。
フランス語はもちろんペラペラなんだけど、でも、ぜんぜん外人ね。習慣も全然違うのよ。
例えば、お墓も方向があるらしくて、そこにしなきゃいけないとかね」
「私のおばあちゃんはここの人なんだけど、協会は1830か70 年くらいにつくられたと思うわ。
ここら辺の人たちは、鉱山が大きくなったから、そのまま住んだ感じね。
私の母さんはドイツ人で、父さんはフランス人なの。
父さんは同じ地方なんだけど、厳密にはここの出身じゃないの。
苗字でバレるのよ」
「ここから離れたりはしないのですか?」
「バケーションは一週間どこかへ行くくらいね。
必ずフランスのどこかに限るわ。
基準はおいしい水がある、昔、火山があったところの湖か、海があるところかしらね。
毎年、同じところってわけじゃないけど、バケーション先で友達になった人と会えるから、できる限りそこに行ってるわね。
息子がまだ16歳だから、留守にしてると刑務所行きよ。
そう、こっちでは子どもを放棄していると見なされるのよ」
「いつもは何を食べるのですか?」
「チーズに、ハムに、色々だけど、買い物はこの近くではしないわね。
ドイツまで行って買ったほうが安いのよ。だから数週間ぶんを買い込むの。
今日は、パンを食べたけど、トーストしてないパンはパンじゃないわよね。
パンには寿命があるのよ。
新鮮なパンは何を乗せるかも違ってくるの。
硬いチーズなら、破れちゃうかもしれないじゃない。
次の日はトースト。それで、カビが生えてたら、カビをとってフレンチトーストにするのよ。
日本ではフレンチトーストがレストランにあるみたいだけど、あれは腐りかけのパンにやることで、子ども騙しなのよ。」
楽しいお話を伺っていたら、23時になっていました。
ちょっと肌寒くなってきたので、おやすみを言って、眠ることにしたのでした。
遊んでばかりいるように見えるかもしれませんが
色々と買い物もしております。
次回は美しい鉱物のご紹介をさせていただきたいと思います♩