【特別企画】世界最大のパワースポット「南極紀行」2
南極に興味をもってしまってから数年。
実際に行動を起こして、およそ3日が経過しました。
憧れの南極にたどり着くには
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから
同じアルゼンチンのウシュアイアという町に飛行機で4時間かけて向かいます。
ウシュアイアは世界の果てと呼ばれる場所です。
▼前回までのお話はこちらよりご覧いただけます。
南極への最後の経由地「ウシュアイア」へ
ここからの飛行機はチャーター機での移動になります。
南極の旅はクルーズ船が舞台になるのですが
これから、同じクルーズ船で生活を共にする方たちと一緒になります。
チャーター機に乗るのは初めてです。
普通の飛行機と変わらないのですが
これからを共にする人たちとの最初の顔合わせになりました。
日本人は他にいなかったのですが
中国系アメリカ人・香港人・中国人の団体旅行者などはおられました。
ドバイやブエノスアイレスでは、ごくたまに日本人らしい方を見かけたのですが
少し心細い気持ちも感じられました。
3時間ほど飛行機に乗っていると
暑いブエノスアイレスとは対照的に
眼下にパタゴニア地方の寒々とした雪山がチラホラ見えてきました。
見るからに寒そうで、ドキドキしました。
4時間後
飛行機はついにウシュアイア空港に到着しました。
人口約7万人の都市で、南極大陸から1,000㎞と
南極に最も近い場所です。
南極への玄関とも言われており
南極へ行くチケットはキャンセル待ちなのだそうです。
現地では夏なのですが11度しかありませんでした。
しかし通常はもっと寒く、マイナス気温がほとんどとのことです。
かつて、ここは牢獄の街だったそうで
日照時間も長く、白夜が多く、ほとんど曇っており、
うつ病になる人がとても多いのだそうです。
ウシュアイア空港からは
バスに乗り混みます。
ご覧のように一日中どんよりと
何とも言えない色をしている街で
確かに明るい気分にはなれなそうです。
ウシュアイアでホテルに到着!
ウシュアイアでは丘の上に建つ
ホテルで1泊しました。
ホテルはとても綺麗で時期的に
クリスマスツリーが飾られていました。
アラビア系の機内食やカチカチのサンドウィッチばかりだったのですが
ここには夢のような食事がビュッフェスタイルで置かれていました。
こういう時、当たり前のように食べ物があった日常が
なんて贅沢だったんだろうと感じられます。
そしてホテルの窓からは
ウシュアイアの街が一望できます。
おとぎばなしみたいな景色を見つめながら
夕陽と赤い灯火に心を奪われていました。
ウシュアイア・フエゴ国立公園へ行ってみよう
翌朝になって、このツアーでは
ウシュアイアにあるフエゴ国立公園に行くことになっていました。
公園へはバスで移動します。
最果ての地らしく、
ここでは手つかずの大自然が体感できます。
山、海、湖が揃っており、どれもが綺麗です。
人の手が加えられていない自然の中に身を委ねると
ここが惑星だったことを思い出します。
この星は珍しいことに水が存在していて、
ちょうど良い位置から照らされる熱から酸素が生まれ
生命が誕生して我々が生まれたのです。
感覚を研ぎ澄ませれば、自分の体と自然を一致させることができます。
一通り公園を堪能したら
同じ船の人達との本格的な懇親会があり
アルゼンチンの伝統料理を食べました。
豚や牛、羊などのBBQといった感じです。
味は素材の味を楽しめるワイルドな料理でした。
同じテーブルの人と自己紹介などをしていたのですが
基本的には、みなさん知的で大変輝かしい経歴の方ばかりでした。
ここで日本語を話せる韓国系アメリカ人の
おじいちゃんと出会いました。
「本当はね、私は去年このツアーに妻と参加する予定だったんだ。
600万円をキャンセルして、今年もう一度申し込んだんだよ。
そう、もう妻はいないんだ。
でも約束してた南極旅行に一人でも参加しようと決めたんだよ。
私はね、北朝鮮の人間だった。
でも船で働くきっかけがあってね。
いつかチャンスを掴むためにアメリカに渡って
そしてリッチになった。
あんたも成功を掴むんだ。
私の家に来なさい。いいね?」
この方は現在NYで仕事をされており
今後のビジネスを広げるきっかけにもなりました。
ここにいる人たちは大変な成功をおさめている人たちです。
我々はいつも成功を羨ましがるけれど
羨望の先にあるのは、自分の弱さです。
あらゆる言い訳も、相手をなじる言葉も、
本当の本当は、心の奥底で感じているのは
尻込みをしている自分への弱さであり
この人たちのように勇気がないだけだと分かっています。
自分への言い訳を人生の航海の準備にかえて
機が熟したなら、出航するべきです。
いよいよ南極大陸へ
これから実際に南極を旅するクルーズ船に乗り込みます。
ポナン ロストラル号というフランス船籍のクルーズ船です。
南極船に乗りこむぞ!
乗船デッキではスタッフ総出で歓迎をしてくれ
指定されたカードキーで部屋に入ります。
部屋はホテルのようになっていて
とても素敵な空間で、シャワー、トイレ、洗面所、TVが設置されています。
冷蔵庫にはお酒やジュースが補充されていて
一体どれほどの食料庫があるのかと感心していました。
この部屋よりもハイグレードな部屋は
倍近くの広さで大きなサンデッキもついていました。
船が出発すると、すぐに船内のホールで
救命胴衣のレクチャーと南極上陸の注意点、船長の挨拶が始まります。
全て英語なのですが
「持ち込まない・持ち出さない」
これが南極のルールになっています。
南極は本当の自然です。
木の実一つであっという間に生態系が壊れてしまうので
大事に守っていかなければなりません。
今も温暖化で南極の氷は崩れ続け
カルフォルニア州ほど大きさ全長約151km、幅が約48kmもある超巨大な氷山「A-68A」と呼ばれる氷山や
南極大陸東岸のアメリー棚氷から、過去50年以上で最大の氷山が分離し分離した氷山「D28」などがあります。
こちらは表面積は1636平方キロメートルと、スコットランドのスカイ島より一回り小さいサイズです。
一通り説明を受けたので
早速、船内の冒険に出かけることにしました。
食事は基本的にビュッフェスタイルで
レストランが2つあります。
この船はフランス船籍の船なので
乗組員のほとんどがフランス人でした。
フランスの食事はとても美味しいのでうれしかったです。
でも、ヨーロッパ人に言わせると
「フランスは料理は良いがパンがダメ」だそうです。
ラウンジが船尾と最上階にあり
そこではバーラウンジや生演奏、
24時間の軽食が用意されています。
ちょっとタイタニックみたいですよね?
でも沈むのは勘弁です。
ここのココアが絶品で
毎朝2杯が日課になっていました。
バーラウンジで働くフランス人スタッフが日本好きで
以前大阪のレストランで働いていたらしく
唯一カタコトの日本語が喋れる方でした。
船らしくワンピースなどの、アニメの話で盛り上がりました。
その近くには簡単なお土産やさんとコンシェルジュデスク
そして医務室やジム、プールなどが完備されています。
魔の海域ドレーク海峡
その日はそのまま就寝し
夜中なると遂に魔の海域ドレーク海峡に到着します。
ドレーク海峡は、アルゼンチンのホーン岬とサウス・シェトランド諸島との海峡です。
ギネスブックでは世界一幅の広い海峡として認定されていて、
最も狭い区間でも約650kmあるそうです。
世界でも最も荒れる海域の一つと言われていて
この日もアルゼンチン海軍の船が遭難したというニュースが流れていました。
とにかく揺れがひどく、酔い止めは飲んでいたものの嘔吐は止まりませんでした。
ひたすらベットに横になっていましたが
ベットごと50度近く傾くので
なんの解決策にもなりません。
ひたすら早く抜けることだけを祈っていました。
初氷河!発見!
案の定、共用デッキにもラウンジにも人はおらず
皆さん自室で揺れと格闘されていたようです。
ドレーク海峡を抜けるとアナウンスが流れました。
「前方に氷河が見える」との事でした。
急いでデッキに向かうと遥か遠方に小さく見える白い塊が・・・
近づくにつれてドンドン大きくなっていきます。
そして、その横にはピョンピョンと泳ぐ
ペンギンも見ることができました。
これが初ペンギンです。
この後はもっとたくさんの氷河やペンギンも登場します。
続きをお楽しみに♪