「所長。一番お好きな鉱物は何ですか？」
「私が好きなのはフローライトです。知ってますか？フローライトのカラーバリエーションの豊富さを。
これを見ながら、お酒を呑む。これこそ至福の時です。」
鑑別の師が一番好きだと答えたのがこの石でした。
当時はどうしてそんな石が？と思いましたが、それは当店が本当に美しいフローライトを知らなかったからでした。
美しいフローライトが採れる場所、その１つに中国が挙げられます。
あの広大な面積の中に、それは素晴らしい結晶が眠っていて、形、色も多くのバリエーションが存在しています。
今回は特徴的なフローライトや代表的な産地のフローライトをいくつかまとめてご紹介させていただきたいと思っています。
さあ、これらは、ほんの一部に過ぎませんが
あなた様を不思議で美しいフローライトの世界にご案内します。
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▼フローライトの詳しい説明や浄化方法・意味・効果はこちらの記事をご覧ください。
中国 福建省 パープルフローライト
 21×18mm
yong chun mine .
quanzhou Prefecture .
fujian province.china
中国 福建省
パープルフローライト
今話題でとてもお問い合わせの多い福建省のYongchun[永春]県産ブルーパープルフローライトです。コレクターアイテムで、まるで宝石の様な形をした結晶が特徴的です。
イギリスやドイツの業者やコレクターのピースも数多く拝見させて頂きましたが、どれもこれも一長一短で、本当に特級品と呼べるものは少ない様に思いました。
理想の透明なタンザナイト色を持った、シャープで端正な形状を探すのは難しいようです。
このフローライトは小さめが主流なので、こちらもそれほど大きくはございませんが、色彩、形状、透明度もハイクラスな逸品です。
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中国 広東省 階段状フローライト
 63×41mm
Ruyuan Mine.Shaoguang City.
Guangdong Province.
China.
中国 広東省
階段状 グリーンフローライト
2013年頃に初めて日本にお目見えした、変わったフローライトです。美味しそうなアップルグリーン色をしていて、爽やかな印象のフローライトです。表面は小さな階段状で構成されていて、光があたるとキラッキラに輝きます。
広東省の自治県Ruyuan[乳源]産で、最初はよく見かけられたのですが、ここ最近は、めっきり入荷しなくなったフローライトの一つです。鉱物にはよくある事ですが、いつの間にか見なくなり、気がついたら手に入らなくなってしまったと言う物が過去にも沢山ありました。このフローライトもその一つになってしまったのかも知れません。
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ドイツ レインボーフローライト
 61×30mm
Bergmannisch Gluck Flacher Vein.
Frisch Gluck Adit.
Frohnau,Annaberg-Buchholz.
Annaberg District。
Erzgebirge,Saxony.Germany.
ドイツ ザクセン
レインボーフローライト
ドイツ人が愛する人気フローライトです。このフローライトは、ドイツのザクセン州にあるBergmannisch Gluck Flacher Veinと長い名前の産地のマルチカラータイプで、ドイツではレインボーと呼ばれ、大変人気の高いものです。日本でもレインボーフローライトをお探しの方は多いのですが、このような端正な形のものは入手が困難です。
光を裏側から強く当てると、グリーン、イエロー、ブルー、パープル、そして、褐色の赤鉄鉱に覆われたコントラストが美しく浮き出てきて、それは幻想的な趣きです。
アメリカにもあまり入って来ないので、コレクターの手に直ぐに渡ってしまうとアメリカの友人が愚痴をこぼしていたのを思い出します。
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イギリス ブラックディーン 強発光フローライト
 60×45mm
Blackdene Mine.Iteshopeburn,
Weardale.North Pennines.
Durham County.England,U.K.
イギリス
蛍光フローライト
20年前に閉山したオールドストックコレクションです。イギリスのダラム郡[州]、ワル[ウィル]ダーレ谷のブラックディーン鉱山で産出されたもので今は新しい産出はありません。
ブラックライトをあてると、強発光するフローライトで、これはロジャリーのフローライトと同じです。
照り艶のある淡紫色の中に、淡いグレーブルーの色彩があるのが特徴で、こういった端正で綺麗なものは、この産地としては大変貴重なものです。コレクター放出品かショップのオールドストック品を探すしか無い激レアフローライトです。
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中国 湖南省 エイリアンアイ フローライト
 62×44mm
Dongshan Mine.
Xianghualing.
Sn-Polymetallic ore field.
Chenzhou Prefecture.
Hunan Province.China
湖南省
エイリアンアイ グリーンフローライト
とても珍しい中国産のエイリアンアイタイプのフローライトです。Dongshan［東山］産の珍しいタイプのフローライトですが、こちらは、湖南省の鉱山で、福建省のDongshan[東山］郡とは異なります。
ナミビアのエロンゴ産に、コアなフローライトマニア垂涎のエイリアンアイと呼ばれるものがありますが、こちらは、その中国版です。エイリアンアイというのは、１つのフローライトの結晶のほぼ中央に、主にひし形の黒や緑の濃いゾーニングが見られるフローライトのことで、その様子がエイリアンの目のように見えるため名付けられました。色は問題ではなく、大切なことは１つの結晶の中央に目のように入ってるかどうかになります。そういった意味ではこのフローライトは完璧で、このタイプは一度しか入ってきませんでした。
淡い緑色のフローライトに濃い藍色の目が特徴的なフローライトです。ドゥルジーのキラキラした水晶と共生した珍しいものです。
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中国 湖南省 逆エイリアンアイ フローライト
 55×40mm
Dongshan Mine.
Xianghualing.
Sn-Polymetallic ore field.
Chenzhou Prefecture.
Hunan Province.China
湖南省
逆エイリアンアイ グリーンフローライト
先程のものと反対に結晶の角に色が入った逆エイリアンアイタイプのフローライトです。
と、申しましてもはっきりとしたコントラストではなく、この産地のこのタイプのフローライトはよく知られていているもので中国の鉱物図鑑にも掲載されています。
こちらも湖南省のDongshan［東山］鉱山で採掘されたフローライトで、数ピースのみの入荷だったものです。
ほんのり淡いブルーグリーンの結晶の四隅だけがパープル色に縁どられていて、それは情緒的な綺麗なフローライトです。
その後、この様なタイプは入荷がありませんでしたので、もちろんレア物です。
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中国 湖南省 オーロラグリーンフローライト
 63×48mm
Xianghualing Mine.
Linwu County.
Chenzhou Prefecture.
Hunan Province.China
湖南省
オーロラ グリーンフローライト
形が面白いフローライトです。ブロックを上から順番に落としていって、どんどん積み重ねたような形をしたタイプになります。
中国産のグリーン色と言えばXianghualing[香花嶺]、おそらく、シャン・フォア・リンと読むのかと思いますが、湖南省の中でも、グリーン色系のフローライトを数多く産出する古い産地です。
海外では、クラッシック扱いされてきておりまして、価格も上昇しつつあります。
Linwu[臨武]県の中にありますが、近年、同じ県のXianghuapu[香花鋪]からカラーレスファントムフローライトが産出された事に驚き、また嬉しく思いました。カラーレスファントムは次に記載しております。
この産地は、高い透明度と綺麗なグリーン色で有名なのですが、こちらのタイプはマスカットグリーン色の肌を覆うように酸化鉄がかぶっていて、全体にゴールド色にオーロラ効果が見られます。変わり種の１つです。
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中国産 湖南省 カラーレス ファントム フローライト
 79×62mm
Xianghuapu Mine.(Maiwan Mine)
Xianghualing Sn-polymetallie ore field.
Linwu County,Chenzhou Prefecture.
Hunan Province.China
中国 湖南省
カラーレスファントムフローライト
この驚くべき透明感と光沢を持った、大変に変わったフローライトを初めて見たのは２０１５年頃のことでした。
カラーレスのフローライトで美しいものと言えば、これまではNYで採れるテリテリのものが代表的なものでしたが、今後はこの産地も念頭におかなければなりません。と思ったのですが、残念ながらこちらはすでに枯渇し始めています。
特にこのように美しいものはどんどん無くなってしまって、今後、消えゆくフローライトの１つになりそうです。
最初は内モンゴル産かな？と思いましたが、Xianghuapu[香花鋪]産でした。この産地では、今まで淡いグリーン色やアップルグリーン色が知られていましたが、この様なタイプは初めてのことでした。
フローライト自体は透明度が高く整ったキューブ型をしていて、ほぼ無色透明なものからやや淡い緑色まであります。水墨画の様なコントラストが特徴的で、その美しさは群を抜いています。灰色から黒色のゾーニングがはっきりとファントム状に入り込んだ珍しいタイプで、雪のような白い内包物が入りこんでいるのも特徴です。
Xianghuapuは中国フローライトの一大産地湖南省にあります。こちらには、有名なYaogangxian[瑶崗仙]やShangbao[上堡]等が在り、中国産フローライトマニア垂涎の外すことの出来ない省と言えるでしょう。
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アメリカ イリノイ フローライト
 97×44mm
West Green Mine.
Illinois-Kentucky Fluorspar District.
Cave-in-Rock Sub-District.
Hardin County.
Illinois.U.S.A.
Collected in the 1960’s
Ex.Leonard Humm Collection.
アメリカ イリノイ
チャルコパイライト イン ゾーニングフローライト
約60年前のオールドストックです。フローライトコレクターなら必須産地のアメリカのフローライトと言えば、まず第一に挙げられるのがこのイリノイ州のものです。
歴史は大変古く、１８００年代から採掘されておりましたが、約２０年程前に、各鉱山が次々と閉じられ、現在ではマニアの方達や業者のオールドストックだけの入荷となってしまいました。本当にファインミネラルと呼ばれる物は年々減少してしまい、価格もとんでもないものになっております。
この産地のフローライトをこよなく愛するコレクターも多く、良いものは手に入りにくくなってしまいました。
ここは大産地ですから、鉱山はとても多く、ミネルバNo1やデントン、アナベル・リーなどを筆頭に綺羅星のごとく存在します。
このフローライトは、イリノイ州ハーディン郡の文化的鉱山、ウエストグリーン鉱山産で、１９６０年代にコレクトされたものですが、産出はもっと以前かも知れない大変貴重なものです。半世紀以上も前なので、勿論、コレクター放出品です。
淡紫色に黄色のゾーニングが美しく、チャルコパイライト[黄銅鉱]も内包しています。大きさも見ごたえがあり保存状態も綺麗な貴重なフローライトです。
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内モンゴル産 インクリュージョン フローライト
 40×38mm
Dongwuqi Mine.
Keshiketeng County.
Chifeng Prefecture.
Inner Mongolia.China.
内モンゴル
ビスマスナイト イン フローライト
まだまだ未知の鉱物が眠る一大産地、内モンゴル産のインクリュージョンフローライトです。つい最近、初めて入荷してきました。
淡緑色に濃紫色のゾーニングが見られるもので、このフローライトが変わっているのは何と言ってもフローライトにビスマスナイト[輝蒼鉛鉱]がインクルしていることです。表面は美しいフローライトですが、裏面にはびっしりと針状のビスマスナイトが覆っていて、一部はフローライトに内包されています。もっとびっしり入り込んだものもあるのですが、こちらとはまた趣が違い、美しいといえるのはこちらのタイプです。
内モンゴルでは変わり種の鉱物やグリーンクォーツ等でマニアが目を離せない状態ですが、この場所は、次から次へと新産が入荷して参りますので、本当に新しく採掘されたものなのかは謎です。
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アメリカ エルムウッド フローライトオンカルサイト
 17×28mm
Elmwood Mine.
Carthage.Central Mining District.
Smith County.Tennessee.
テネシー
フローライト オン カルサイト
惜しまれつつ2年前に閉山したフローライトです。アメリカのテネシー州で大変有名なエルムウッド。犬牙状のステラビームと
呼ばれるカルサイトの産地としても知られていますが、美しいパープルフローライトを産出する事でも有名です。１９６０年代から２００３年まで可動して、７年間のブランクの後に２０１０年に別会社によって再可動されたのですが、わずか５年後の２０１５年に閉山となってしまいました。
こちらは、端正な形をしたパープルフローライトに白いカルサイトが共生したタイプで、人気の高いものです。
エルムウッド鉱山のフローライトはスファレライト[閃亜鉛鉱]やバライト[重晶石]と共生したものも数多く見られますが、閉山してしまいましたので、これからはそれらのものも手に入れる事が困難になると思います。
今のうちのコレクションをお勧め致します。
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中国 湖南省 カルサイト イン フローライト
 38×25mm
Xianghuapu Mine.(Maiwan Mine)
Xianghualing Sn-polymetallie ore field.
Linwu County,Chenzhou Prefecture.
Hunan Province.China
湖南省
カルサイト イン フローライト
ちょっこり帽子の可愛いフローライトです。この可愛らしいフローライトは、湖南省のXianghupu[香花鋪]産で、カルサイトと
の共生したタイプです。フローライトに入り込んでいるため、メリッとなったフローライトには必然的に自然のクラックが入ります。フローライトとカルサイトが共生したものはよくありますが、こちらは非常に透明感が高く、シャープな四角い頭に、ちょこんと乗ったカルサイトが愛らしいとても整ったユニークなものです。色彩もとても淡い緑色で、繊細で綺麗なフローライトになります。
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いかがでしたか？美しいフローライトの世界に陶酔する旅は？
フローライトは他にもございますが、
今回は今話題のものや変わり種をご紹介させていただきました♪
これらには当店の非売コレクションも含まれていますが
今回、放出いたしますので、どうぞお楽しみに♪
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