お伊勢さん「アマテラス様」
こんにちは。
本日は伊勢にお邪魔した翌日のお話をさせていただこうと思います。
前日はトヨウケビメの祀られている外宮にお邪魔しましたが
実はその晩、ホテルに到着して服を脱いだところ
服の間からポロポロと2つの石が出てきました。
あまり眠っていなかったので、気が付かないうちに石でも拾ったのだろうかと思ったのですが、いくら考えても分かりませんでした。
しばらく物思いにふけっておりましたところ、
そういえば、いつだったか伏見に行ったときにも
石が2つ洋服から出てきたのを思い出しました。
それはいつも洋服の間で、どこからともなく落ちてくるのでした。
その時は必要ないと思って捨ててしまったのですが、
今回はとっておくことにいたしました。
内宮に到着しますと、とても良い天気で暑いくらいになっていました。
早速、当店の狐がやってきて『トヨウケビメ様がアマテラス様にお伝えくださいました。今回もカザキ様がご先導なさいます』と言うのでした。
入り口に近づくと、橋の擬宝珠のところに、かざきがやってきました。
かざきは歴史に詳しく、女性で、このような顔立ちをしています。
真っ白な羽衣を着ていて、麻ひもで出来た髪飾りをつけています。
『お待ちしておりました』
「ツクヨミ様はお変わりありませんか?」
『はい。お時間があればツクヨミ様のところへもお越しください』
「分かりました」
しばらく歩いてゆくと、懐かしい木が見えてきました。
それは何のへんてつもない木ですが、しかし覚えがあるのでした。
『懐かしいですか?』
「ええ」
『あなた様はこの木の上から人間を見ているのがお好きでした』
「ええ」
物思いにふけりながら、今度は左に目を向けますと、そこには男性が立っていました。
「お名前は?」
『私はゴホウジョウと呼ばれておる』
「ここは何です?」
『シシシン、ミヤノメグリと呼ばれるこの場所は、伊勢神宮の四方向を守るものだ。
一人では守りきれぬため、あと3名おるがそれらは今外宮におる』
「この力は何です?」
『土地のものはフタミガウラを力があると言っておるが、それほどの力はない。
本当に力があるのはここである。
我らがお守りしているのでな。ここは神が心置きなく休息される場所なのだ』
「わかりました。さようなら」
こんな風に寄り道をしながら歩いておりましたら
カザキがずいぶん先に行ってしまったので
少し小走りに追いつきました。
『息が乱れておりますね。
そういう時は丹田に両手をおき、息を三度に分けて吸い込み、一気に吐くのが良いでしょう。
これを三回行えば、気を取り込みやすくなります。瞑想の極意です』
そういうことでしたので、歩きながら息を吸ったりはいたりしておりました。
ようやく正殿に到着いたしまして階段をのぼったところで
ハッとしたことがありました。
赤いリュックを背負ったお方。
あなたは確かにアマテラス様とお話をされておられましたね?
当店はドキッとして声をかけることができなかったけれど
確かにあなたは話しておられました。
『また来たの』
「26日にお戻りなんですよね?」
あなたは見ることはできないようだったけれど、そういう会話をされていました。
そして満足そうにご友人と合流されて、去ってしまわれたようでした。
しばらく呆然としてしまったのですが、嬉しいような、不思議な感覚でした。
気を取り直してアマテラス様にご挨拶をしたところで
今回の旅の目的を聞いてみました。
「導くものを連れてまいりました。
どうすれば良いでしょうか?」
『神職としての決意をかためさせる為、人間を導く為にここへ来たのだ』
「はい」
『あとは決意を待つことのみ』
「はい。そのように伝えます。
今度はいつお戻りですか?」
『重陽に降りて参る。
新たな歴なれば、すぎは神無月、とおかあまり、なぬかなれど、陰陽の歴なれば菊月のここぬかなり。
時あれば、神無月のとおかあまり、なぬかに参られい』原文ママ
※旧暦だと9月だが、現代では10月17日になる。
しかし、私は旧暦の9月9日に降りてくる。
時間があれば10月17日に来ればよい。
「分かりました」
「この石をご存知ですか?」
『トヨウケノミコトがそなたを守るために与えたものだ。
これを持つことによって姿を隠すことができる。
異端(邪魔するもの)のものは近づけさせぬ』
「ありがとうございます。
アマテラス様の髪にも飾りがあるようですが
その緑の石は何でしょうか?」
『昔、民が捧げてくれた出雲産 青めのうだ』
「トヨウケビメ様も瑪瑙の勾玉をしていらっしゃいました。
どうして昔のものを身につけられるのですか?」
『今生のものは気がこもっておらぬ』原文ママ
※今の貢物は昔のものと違って気持ちが入っていない
「おそれながら、持参しました石たちに力を入れて頂けないでしょうか?」
『そこの榊にかざし、五十鈴川の清き水で洗いなされ』
「分かりました。ありがとうございます」
そうして正殿の榊に石たちをかざすと、以前と同じように光が差し込みはじめました。
今まで五十鈴川に降りたことはなかったのですが
この日は五十鈴川と言われましたので、そのまま石たちを五十鈴川に浸しました。
五十鈴川に石たちを入れた途端、手が見えなくなるほど眩いばかりに輝き出しました。
もう眩しくて、目を当てられないほどに光り輝いて、これを入れたバッグからも光が漏れ出すほどでした。
「ありがとうございました。さようなら」
そう言って、内宮をあとにいたしました。
カザキも、アマテラス様も、トヨウケビメも、ゴホウジョウも
あらゆる神々が身につけていたのが
出雲産 青めのうや瑪瑙、翡翠でした。
麻ひもでくくりつけたペンダントや髪飾りなど
神々が好んで身につけていたのは
昔の民が捧げてくれた心のこもった石たちだったのです。
ですから当店もそれに見合った石を持ってゆくことにいたしました。
そんなに沢山ではございませんが、光り輝く石たちです。
そればかりではなく、美しくレアな石ばかりですので
どうぞご期待ください♪
次回はお話の続きと石の紹介を交えたブログを更新させていただきたいと思いますm(__)m