およそ1万年前から珍重され
世紀を越えた王たちに熱狂的に愛された玉―。



ネフライトの文化はジェダイトよりも古く、1万年も昔から、中国ですでに利用されていました。

そして6000年前ごろになると、農耕農具や武器、装飾品がつくられ、玉文化が栄えていたのです。

ネフライトの中で、当時から「真の玉」とされ、今ではほとんどお目にかかれないものに和田玉(ホータンギョク)があります。これはウィグル自治区の和田という場所にちなんで名づけられた特別美しいネフライトで、ここのものは、より緻密で結晶の筋が見えないくらい細やかな肌をしたものがあります。




ネフライトが中国で愛された理由の1つがこの緻密さで、彼らはこの石を「潤っていてあたたかな感じがある」といいました。

トロッとして濡れたような輝きをとても好んだのでした。



和田玉の原石


◆特定の地域でしか採れない希少な白


ネフライト自体は世界中で採れますが、とりわけ純白の肌をした白玉と呼ばれるものは別格です。

白いものはごくごく稀で、希少性が高く、なかなかお目にかかれません。

当時から愛された和田玉も、現代では流通が不安定です。

ここの玉はもう、当時に比べて、ほんの少ししか採れないからです。

何ヶ月、あるいは何年かに1回、ウィグル自治区の行商人が中国の市場に売りにくることがある程度で、それも良品はほとんどなく、ほんの数Kgです。

しかもそれらは、中国人の手によって買いしめられてしまうため、門外に出ないのです。

ですから、良品の和田玉は、アンティークばかりで、新しい良品は見込めません。

例えば「違う産地のものでもよいから、白玉が欲しい」と業者に伝えたとしても、白玉自体がないのですから、とりあってもらえないことがほとんどです。

今では、和田玉というブランドが出来てしまい、他の産地のものでも、和田玉として販売されています。



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