〜オパールを愛した人々〜


紀元前1世紀のこと

ローマの元老議院ノニウスは10cmほどもあった、それは美しいオパールの指輪をしていて評判をよんでいました。
しかし、そのあまりの美しさに将軍アントニウスはそれを欲します。それはクレオパトラに贈るためでした。

しかし、ノニウスはそれを断ります。怒ったアントニウスは彼を追放してしまいますが、ノニウスは決してそのオパールを放さず、その指輪だけを持って消息を断ったのでした。



そして中世では、ブロンドの女性は、髪の色を失わないためにオパールのネックレスをし、また、オパールは身につけている人を見えなくするとも考えられていました。

オーファヌスと呼ばれる美しいオパールは、神聖なローマ皇帝の王冠に飾られました。このオパールは王族の名誉を守ると言われたのです。

フランスの王冠にもセットされ、ナポレオンは「トロイの燃焼」と呼ばれる素晴らしい赤いオパールをジョセヒンに与えたといわれています。

シェークスピアは、オパールの色の変化を心の変化にたとえて「変わりやすい、移り気」という表現に置き換えました。そこから現在の暗示である移り気というものが生まれたようです。

19世紀になると、オパールは、人気作家のウォルター・スコット卿の小説の中で不運であるという設定にされてしまいますが、ビクトリア女王はオパールが好きで、結婚のプレゼントとして、しばしばプレゼントしたため、人気が回復したという歴史があります。


女王、皇帝、天才作家たち。数しれない人々が心から愛したオパール。

ローマのノニウスは名誉のほうを捨てて、オパールを愛してしまい、恋人のように離れることができなくなってしまったのです。

オパールにまつわる物語は星の数ほどで、人々の心をそのまま映し出しているようです。





オパール…


この石は中世でも貴重で、眼の石と呼ばれました。これはオパールが眼に良いと広まったことによります。

この石を見つけた最初の人は、どんな思いだったでしょうか。

この石は、ほかのどの石とも違う何かを感じるのです。

それは、この石に、何か心を読まれているようで、どこか神秘的なおののきも感じられます。

真珠と一緒で、医療として服用されていた時期もありました。

瞬間的になじむこの懐かしさと、しっかりとした意志を感じられる様は異常なものです。


宝石は権力とはべつに、その人の器を見定めて、宝石のほうで持つ人を選びます。その人に最もあう石は、なによりも愛することができることにあります。

愛せるものこそ、あなたをポジティブにしてくれる宝石です。


石はロマンであり、時に人生そのものです。

1つ1つのことが、そのストーンを意味深いものにします。


オパールのお話はいかがでしたか?

あの輝きには、きっと他にも、歴史上語られなかった、いろいろな秘密があるに違いありませんよね?



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